Vol.33 将来の夢
ねえ、キミさぁ、将来の夢何だった? チビのころ。
サッカー選手。
はぁ〜? 鳥がぁ?
そうだよ。知らなかったんだもん、鳥がサッカー選手になれないこと。
鳥がユニフォーム着て、ボール蹴れると思ってたんだ。
うん。
いつ気づいた? 鳥はサッカー選手になれないって。
最近。
さいき〜〜ん?
やめて、そうやっていちいちしゃべりながら白目むき出すの。コワイから。
赤目のほうが好き?
よけいコワイし。
そいでサッカー選手になれないって分かった今は、何になろうとしてるわけ?
何って‥‥‥。んー、なんだろ。
焼き鳥の缶詰?
いや。
鳥のから揚げ?
んなわけないじゃん。
ヤダ、キミ、まさかケンタッキーフライドチキン目指してるんじゃないでしょうね。
まさか!
あー、びっくりした。あれは、ブランドだからね。あんな高級ブランドにはなかなかなれないんだからね。
っていうか、食べられてどおするってことでしょう。
食べられて本望よ。まっとうな鳥は、みんな第一志望が、飲食関係なんだからね。
そうかな。
そうよ。キミって、品川ヒロシだね。
なに、それ。
不良だね。まっとうじゃないもん。
第一志望が「一生懸命生きること」でなにが不良なんだよぉ。
いい子ブリブリっ子。
ブリブリじゃないもん。
あのさ、昨日、私の知り合いの人に、「小さい頃の夢なんでした?」って聞いたら何だって言ったと思う?
缶詰?
バカ、人間だよ。
電卓?
そんなもんになりたい人いないでしょう。
その人ねぇ、小学校のころの作文にも書いたらしいの、将来の夢。
作文に書くぐらいだから、大きい夢なんだろうね。いいなぁ、小学生ってキラキラしてるよね。
その人の小学校の頃の夢ってさぁ、隠居だったんだって。
はぁーーーーー??? 小学生で隠居夢みちゃうの?
そう。小学校の頃に自分の人生が険しいことを悟ったんだって。そいで、できればその険しいとこ飛び越えて、隠居まで一気に行けたらいいなぁって思ったらしいよ。
ふーん。
んで、今、隠居してんの?
できてないの。なかなか難しいみたいよ、仕事が忙しくて。
いいことだ。働けるときには一生懸命働かないと。せっかくもらった命なんだからさ。
そりゃそうだ。人生をサボっちゃいかん!
ところでアンタは、将来の夢なんだったの?
遊び暮らし。
はぁ〜?
遊んで暮らすのが夢だったのよ。周りの人からチヤホヤされてさ。
ダサー。隠居と同じじゃん。
ぜーんぜん違うわよ。隠居って影に隠れて静かに暮らすことでしょ、遊び暮らしは、人前に出て派手にきらびやかにしてることだもん。
派手にきらびやかにしてて、働かないの?
そう。
サイテー。
夢ってなかなか叶わないなー。働いちゃってるもんなー、ワタシ。
当たり前でしょ! サボんないの、人生を。サボることばっか考えてると、筋肉がゆるゆるになって、顔の皮も身体の脂肪も下に落ちちゃうからね。気をつけてね。
By ブラッぺVol.32 コンビ名の発明
言いたい。あぁーー言いたい。でも、言えない。
ん?
言えない。
ほら、思い切って。
そお? じゃ、ちょっとだけ。って。ヤバっ。あっぶない。油断もスキもありゃしない。
‥‥。
もうちょっとで言うとこだったわ。人の重大な秘密を、タダで聞こうとしたわね。
べつに。
聞きたいんでしょっ。はっきり土下座しなさい。
はっきりした土下座ってどーゆーの?
顔全体がキッチリ、アゴまで隙間なくぴたーっと床につく土下座よぉ。
えーーー! そんなの無理だよぉ。顔には凹凸があるんだから。
強く生きるためには凹凸ぐらい消せるようじゃなきゃ。それが無理なら一億円だな。聞きたいなら、土下座するか、1億円支払うか、二つにひとつ。
二択の内容に開きありすぎ。
聞きたいんでしよ。ガマンしないのっ。
してないよ。
またまたぁ。しょうがないなぁ。さわりだけ教えてあげるわ。
結局、言いたいんじゃん。
大サービスよ。
‥‥‥‥。
私さ、お笑いコンビにつけるスッゴくステキなコンビ名考えたの。
‥‥‥‥。
キミ、私の発明したコンビ名を聞いたらひっくり返るよ。
なんで。
あまりにスゴくて。
どうスゴいの。
絶対メジャーになる名前なの。
ふーん。そのコンビ名誰につけるの?
まだ決まってないわよ。私が「イケる!」って太鼓判を打つコンビに出逢ったら、
そんとき売る。
売るの!?
あったりまえじゃん。スンゴ〜い名前なんだもん。
せこーい。あげなよ。
ヤダ。もったいないもん。
コンビ名を売ったりしたら、そのコンビがメジャーになったとき、必ず言われるよ。「俺たちは買わされた」って。
いいの。そう言われたって納得いくくらいスゴい名前だから。
ふーん。
それより心配なのは、私がこのコンビ名を売るまで、誰にも言わずに我慢できるかなのよね。
保管しとけば。
どこに?
お風呂場あたりに。
濡れるじゃん。
名前が?
そうよ。
じゃ、乾燥機ん中。濡れないし、カラカラに乾くし、安全だよ。
ダメダメ。乾きすぎて、ヒビ入いって、割れるかもしれないじゃん。割れるってことは、コンビが解散する危機をハラムってことだから。
なんだかよく分からないけど、あんまり力入りすぎると、その名前付けたコンビ売れないよ。
なんでさ。
何でも力入れすぎるより、力抜いた方が上手くいくんだもん。
何いってんの。力抜いて何かをやるってことはさ、ダラダラ、デレデレのパッパラ状態ってことでしょ。
そんなんじゃ、玉子焼きひとつ作れないじゃん。
極端すぎるよぉ。力入れすぎると体も心も硬くなって、ぎごちなくなるってこと。だから起きるできごともぎこちなくなっちゃうわけ。
そーんなことないわよ。そのコンビ名さ、頭に「ウ」が付くの。
なーんだ。うっちゃん、なんちゃんか。
んなわけないじゃん。それじゃパクりだし。
上戸彩系?
はっ? お笑いじゃないじゃん。コンビでもないし。
じゃ、ヴィヴィアン・リー?
なんで外人? なんで女優? なんで「ウ」じゃなくて「ヴ」、
さらに、なんでそんなに昔?
なんか、テキトーに言ってみた。
頭は「ウ」、最後は「ン」。
な〜んだうどんか。
やめてよぉ。ダサッ。全部で7文字!当然4文字に簡略化することもできるのね。
4文字に?
そう。売れるものはみんな4文字に簡略化できるでしょ。「ウンナン」「ナイナイ」「いいとも」「ドラクエ」「さんしお」
最後の「さんしお」って何?
さんまの塩焼き。
そんなの略さないよぉ。
略すの、わたし的には。
あっそ。
あー、それにしてもなんていいコンビ名なのかしら。頭の中でリピートしただけで体がキュンとなるわ。
言いたい。言えない。あぁーー、言いたい。うふっ。でれっ。ガハッ。
だいじょーぶ?あんまり力入れすぎると上手くいかないよ。心も体も柔らか〜くなるとピュッてできちゃうんだ。肩の力を抜こっ。
by ブラッペ
Vol.31 合コン人生
なんか面白くないなぁ。
何が? 何が面白くないの?
ぜんぶ。
ぜんぶって、ゴミ箱も、洗面器も、トイレットペーパーの芯も?
そんなもん、元から面白くないでしょう。
だって、ぜんぶっていうから。
じゃあ、一部。
どのへんの一部?
全体的な一部。
イチブトゼンブ?
B‘zじゃん。
そうそう。
だからなに?
なんの話してたっけ。
ば〜か。
あぁ、全体的な一部が面白くないんだったよね。
そう。
たとえば何が面白くないのか、具体的に言ってみて。
具体的に言うとどうなるの?
面白くするヒントを提供できるかもしれないから。
なんか上から目線な感じ。
そうじゃないよ。アンタに協力したいんだよ。
なんで? 目的は金?
お金じゃないよぉ。もらったって鳥だから使えないし。
じゃあ何。私の体?
いらないよ、そんなもん。鳥だし。好みじゃないし。
失礼ねぇ。熟れ盛りなのに。
ねえ、面白くないことを具体的に教えてよ。
基本、人間ね。
人間?
そう。どいつもこいつもつまんないのよ、刺激がなくて。
みんなそうそう刺激なんかないよ。
じゃあ、刺激なくてもいいけど、もうちょっと面白い話しできないのかしら。つまんないんだもん。
アンタがつまんないってことは、相手もつまんないんだね。
まさか。相手は面白いわよ。私、会話の達人だもん。
楽しませるだけ楽しませて、自分はつまんないの。不公平よね。
自分がつまんないのに人を楽しませられるわけないじゃん。
そんなことないわよ。おだてたり、オーバーに話したり、ジョーク入れたり、秘蔵ネタをドカンと挿入したりしてさ。
うそっぽーーーい。なにそれ。心こもってないじゃん。
心なんかこめなくたっていいのよ。相手は楽しんでいるんだから。
楽しんでないよ。口先三寸で話盛り上げると、聞いてるほうは疲れるんだから。
そうかしら。
そうだよ。
だいたいさぁ、人のことつまんないって言ってるときは、自分がつまんないときだからね。
はぁ〜〜???
そうだよ。周りの人がみんなヘンだって思うときは、
自分がヘンなんだし、周りの人がみんなバカだって思うときは自分がバカなんだもん。
周りの人が面白くないって感じるのはアンタが面白くないからだよ。
私のどこが面白くないのよ。
ウソで話盛り上げようとしてるそのコスイ考えが面白くない。
だってそうしなきゃ、会話が盛り上がらないんだもん。
べつに盛り上げなくたっていいじゃん。合コンじゃないんだから。
人生は合コンみたいなものでしょ。お互い盛り上げ合いながら生きていくっていうか。
何言ってんの? また頭おかしくなっちゃって。
人の頭がおかしいって思うときは、自分の頭がおかしいのよ。さっき自分でそう言ったでしょ。
違うよ、そういう意味じゃないでしょ。
じゃあ、どういう意味よ。あーあ、モット楽しい合コン人生送りたいなぁ。
分かってないなぁ。周りの人がつまらないって感じるときは、自分がつまらないときだよ。自分が活気付いていればイキのいい人が集まってくるんだからさ。
by ブラッペ
